ピグマリオン効果・ゴーレム効果とは?彼女と仲良く付き合う心理学

ピグマリオン効果・ゴーレム効果とは?彼女と仲良く付き合う心理学

先生が生徒に対して「君たちはできる! 」と言い続けている光景は多いです。会社でも新人教育研修で、「今年の新人はみな優秀だから期待している」ということもよくあります。

なぜ、教育する側がこのようなことをしているかというと、「ピグマリオン効果」を期待して行動しているからです。ここではピグマリオン効果について説明した上で、恋愛についてどのように生かすかの説明をします。

教育の場で使われるピグマリオン効果

「ピグマリオン効果」とは、人は他人から期待されるほど、より高い成果を出すことができるという効果を指します。これは教育心理学の1つであり、上記のとおり教育の場で多用されています。

これは、1960年代に教育心理学者ローゼンタール氏が行った実験に由来するものです。そのため、ローゼンタール効果とも呼ばれています。

ローゼンタール氏が行った実験は、ある小学校において知能テストを行い、テスト結果を学校の担任に渡して、今後伸びてくる子供を伝えるというものです。ただ、テストの点数には意味はなく、伸びてくるとされた子は無作為に選ばれました。

その後の結果は、無作為に選ばれたはずの生徒が、実際に成績が向上していきました。担任が成績が伸びてくるとされた生徒へ抱いた期待が、そのまま対象の生徒に伝わり、成績が伸びたとされています。

実際、このように期待されると、「自分もできるかもしれない」と思って頑張る人は多いです。勉強・仕事・趣味といった色々なところで、他人の期待にこたえようとして、頑張ることで成果をあげる人がいます。

ただし、ピグマリオン効果と逆の効果も存在します。それが「ゴーレム効果」です。ピグマリオン効果が相手への期待を持ち続けることに対して、ゴーレム効果は相手に対して批判的な態度を取ってしまうことで生じます。

「お前はなんでできないんだ! 」と批判され続けていると、人は期待以下の成果しか残すことができません。批判するのは簡単ですが、成果を出させるためにはきちんと相手をほめることが大事なのです。

恋愛におけるピグマリオン効果

ピグマリオン効果を恋愛の場で使うときには、カップルの仲を良くするために使いましょう。きちんとした関係が成り立っていないのに、相手から期待をされたとしても、なんで言われなきゃいけないんだろうと疑問に思い、相手が動くことはないからです。

元々違う人間であるのに加え、育ってきた環境が異なるため、カップルの価値観は全く一緒であることは絶対にありません。そのため、自分が変わり、相手も変わり、歩み寄る必要があります。

相手との歩み寄りのなかで、お互いの考え・行動をどのように変えていくかを話し合うことは大事です。そして、話し合って決めたことに対して、きちんと努力して達成することが重要です。

そのとき、相手に自分の意に沿った変化を期待したいときには、「大丈夫、あなたはきっとできる! 」と伝えてあげましょう。

例えば、相手の女性が禁煙や禁酒をするとします。そういった時、最初から成功できる人は少ないです。ただ、失敗してしまったからと言って相手を批判してはいけません。批判すると、ゴーレム効果が働き、目標を達成するのがさらに困難になるからです。

失敗したとしても、実行しようとした意志や少しの成果にクローズアップすることで、相手を褒めましょう。そういった良い点があるのだから、あなたはきっとできると伝えることで、相手はあなたの期待に応えようとして変化していきます。

まとめ

「ピグマリオン効果」は、教育心理学の1つであり、人は他人から期待されるほど、より高い成果を残すことができるというものです。

逆に「ゴーレム効果」もあり、期待されなかったり、批判的なことを伝えられたりすると、人は成果を残すことができなくなる傾向があります。

恋愛においては、カップル間でピグマリオン効果を期待できます。相手が性格・行動を変えようとしているときなど、失敗しても批判してはいけません。頑張ろうとした過程や成果に着目し、ほめることでパートナーは少しずつ変わっていくことができます。