pairsでは、真面目に恋活・婚活している会員の気持ちを利用して、お金をだまし取ろうとする業者が存在します。その1つが「他サイト誘導業者」です。自分のポイント制サイトを別に持っていて、最終的には自分のサイトに呼び込み、ポイントを買わせることが目的です。
自分の詐欺サイトに呼び込み、お金を巻き上げるため、自分のサイトを盛り上げる「サクラ」ともいえます。この業者は、pairsの男女会員の両方をターゲットにします。
管理人は、pairsで他サイト誘導業者の被害にあった「誘導被害女性」の相談にのる機会がありました。電話で色々と誘導被害女性の相談にのったものの、解決するには至りませんでした。そして、途中で誘導被害女性に連絡を切られてしまったため、最終的にどうなったのかはわかりません。
本ページでは、誘導被害女性とのやり取りのなかで管理人が学んだことについて述べます。そして、なぜそういったことを学んだかを、実際に誘導被害女性がした行動を述べながら説明します。
被害にあった誘導被害女性から学び、すべき行動
管理人は誘導被害女性が行った話を、電話で一部始終聞きました。なお、最後まで誘導被害女性とは会ったことはありません。
管理人はある朝にpairsをしていたら、誘導被害女性が「どうしたら良いかわからない」とつぶやいていたため、話しかけることで誘導被害女性と知り合いました。その後、電話で色々と話をしながら、どうすべきか一緒に調べ、考えました。管理人がこの体験で学んだことは以下です。
・ 人は魅力的だと思った人に抵抗することが大変
・ 本名らしきものをもらっていても信用しない
・ 他サイトに誘導時された時に断ることが全てである
・ 悪徳サイトのようなサイトであろうと、振り込んだお金は返ってこない
なぜ上記のことを学んだかを、誘導被害女性の行動を示しながら説明していきます。
人は魅力的だと思った人に抵抗することが大変
誘導被害女性は、一般の男性のふりをした業者からいいね! をもらって会話がスタートしました。その男性は、美容院経営をしている男性で、年収は1,500万円以上、非常にイケメンで、優しそうな雰囲気の男性であったとのことです。
抜群のプロフィールであったため、誘導被害女性は一目ぼれをしてしまいました。男性は多忙の合間を縫って、メッセージ交換をきちんとしてくれます。そのため、誘導被害女性はどんどん男性に心を奪われてしまった様でした。
数日間pairs上で連絡を交換し合い、無事に連絡先交換をした誘導被害女性。その後も、LINEで男性とのやり取りをし、関係を深めていきます。ただ、ある日事件が起きます。それは、連絡が突然なくなるという事態です。結局それは、男性がスマホを落としたからとのことでした。
この後男性は、知人のFacebookから誘導被害女性に連絡をしてきます。「スマホを落としてしまい、LINEが使えない。Facebookはしているが、今は使えない。だから別サイト(詐欺サイト)で連絡先を交換したい」
本名らしきものをもらっていても信用しない
男性が何を言っているかは、よくわかりません。突っ込みどころばかりです。誘導被害女性としても、男性の発言に疑問を感じていました。ただ、問いただすことで連絡が途絶えてしまうことを恐れた誘導被害女性は、男性の言うことを聞いてしまいます。
結果として、誘導被害女性は誘導された別サイトにログインしてしまいます。なぜか誘導被害女性は、このサイトにすでに登録されており、すぐにログインできる状態であったとのことです。
誘導被害女性が登録させられたサイト
ここまで説明していても怪しいところばかりですが、誘導被害女性は男性の本名は聞いていたため、相手のことを信じてしまったそうです。ただし誘導被害女性の失敗は、早い段階でFacebookにおいてその男性を探していなかったことです。その理由は後述します。
他サイトに誘導時された時に断ることが全てである
誘導被害女性は、男性の言うままに動いてしまっています。ここには「イエスセット」が使われています。相手の話に、「そうですね」「私もそう思います」「うん」などとイエスを繰り返すと、会話のなかに「変だな……」と思っても「違います」「嫌」とは言いにくいものです。
特に相手に愛情を感じているときは、ノーとは言えません。
・ (業者)他サイトで誘導し、こちらで話そう → (誘導被害女性)はい!
・ (業者)後でお金を払うから、他サイトで連絡先を送るために必要なポイントを買ってほしい → (誘導被害女性)はい
・ (業者)サイトのシステムトラブルで連絡先交換できないから、ポイントをもう少し買ってほしい → (誘導被害女性)はい……
このような流れで、誘導被害女性はズルズルとポイントを買い続けてしまいました。誘導被害女性は男性がお金持ちであることを知らされており、信頼しきっていたとのことです。そのため、後払いすることに対して強く疑念を持つことはできませんでした。
悪徳サイトのようなサイトであろうと、振り込んだお金は返ってこない
結局、誘導被害女性が「さすがにおかしい」と思ったときには、約40万円分のポイントをクレジットカードで買っていました。途中で引き返そうと思っても、人はそんな簡単にはあきらめることができません。
この心理を「コンコルド効果」といいます。ギャンブルにハマってしまう人にありがちですが、「ここまでお金を使ったのだから、勝つまではやめられない」という心理です。そのため、誘導被害女性のケースでは、他サイト誘導の時点で強く断る勇気が必要でした。
結果として、このお金は誘導被害女性と管理人が相談している間は、戻ってくることはありませんでした。ポイントを自分の意思で購入し、自分の意思で使用したと判断されてしまうため、お金は戻ってこない様です。
ただし、ケースバイケースであり、法的な内容に関しては専門家である弁護士に聞くことが必要です。参考までに留めておいてください。
終章
管理人と電話した時点で、誘導被害女性は精神的にかなり疲れていました。ただ、人によっては誘導被害女性がしてきたことが、「管理人をだましてお金を巻き上げる手なんじゃないか」と思う方もいると思います。
しかし、LINEのIDをみずから教えてくれる、電話で管理人と1時間以上話す、銀行やカード会社に電話するといった面倒なことを、業者がわざわざ行う可能性は低いです。
そして、仮にこの女性が業者だとしても、管理人はお金を払う以外の方法でしか手助けしないつもりでした。お金のトラブルが不安であれば、お金を支払わないことが最良の手段です。
当然、誘導被害女性も40万円のお金を払った後、お金を払いすぎたことに対して不安を感じ、相手の名前をFacebookで打ってみたそうです。しかし、相手の男性を探すことはできませんでした。同じ名前で同じ写真の人が、日本全国に何名も表示されたからです。
業者は、複数のアカウントを使用していたということです。この行動により、だました相手からの調査をかわそうとします。早い時点でFacebookで相手の名前を検索していれば、被害にあわなかった可能性は否めませんが、後の祭りです。
警察には相談したくないとのことだったので、詐欺に遭った際の無料相談窓口を紹介しました。銀行へも相談したそうですが、結果は変わりませんでした。
ただ管理人として申し訳なかったことが、pairsの運営に連絡を勧めなかったことです。pairsは有料会費以外に、さらに便利に使用できるサービスとして「プレミアム会員」(月2,980円)があります。このプレミアム会員になっていると、弁護士費用サービスを受けられます。
弁護士に相談していれば、結果は少し違っていたかも知れません。このようなサービスを知っていると、仮に被害に合っても自分は1人ではないと思い安心できます。結局、誘導被害女性はみずからフェードアウトしていき、管理人からは連絡が取れなくなりました。
悪いのは誘導被害女性でもペアーズでもなく、恋活アプリ・婚活サイトに潜む他サイト誘導業者です。普通に活動していたら被害にあう可能性は低いですが、「自分だけは大丈夫」と思ってはいけません。どんな美女でも、金銭がからむ行動は絶対にしない方が良いです。